混んだ電車に一定時間乗るなどの現実の環境を想定した場合の感染リスクをマスクの種類で見てみましょう
密状態で一定時間滞在する場合のマスクの性能に関する考察
<市販高性能マスクとICM VIROBLOCKマスクの比較>
N95マスク等最新の高性能の市販マスクにはエアロゾル99.9%除去との性能表示が有ります。
[エアロゾルについて]
エアロゾル/飛沫核(4μm以下 0.3-0.1μm)は微細粒子で新コロナウィルスのメインの感染とされている飛沫(5μm以上)と比べ各段に小さく、且つ新コロナはエアロゾル感染も有ると報告されています。
飛沫(大きい粒子)はそのほとんどが重力で数分程度で落下しますが、それに比べてエアロゾル/飛沫核は微粒子のため空気中で浮遊して長時間滞在できます。
マスクの性能表示にある99.9%等の表示は一回の試行時での透過率を表す数字です。
現実の環境に置き換えると一回の呼吸に対応すると考えられます。
そこで密な状態(呼吸している回りの空間に新型コロナウィルスを含んだエアロゾルがあると仮定した状態)で一定時間滞在した時の理論上の透過率を考察してみます。
この考察ではマスクの隙間問題は考慮していませんが、後程簡単にこの点も触れます。
[呼吸数]
呼吸数は人により、また状態によりかなり差が有りますが、便宜上20回/分として計算します。
よって5分:100回、10分:200回、30分:600回、1時間:1200回 となります。
ここからは高校の数Iでやる反復確率計算です。
(ネットで自動計算してくれるサイトなどもあるので興味がある方は反復確率、自動計算などで検索してみてください。)
99.9%除去率=0.1%透過率
100回繰り返した場合(5分滞在)1個以上の粒子が透過する確率:9.521%
200回繰り返した場合(10分滞在)1個以上の粒子が透過する確率:18.135%
600回繰り返した場合(30分滞在)1個以上の粒子が透過する確率:45.135%
1200回繰り返した場合(60分滞在)1個以上の粒子が透過する確率:69.899%
[市販マスクの隙間・漏気問題]
製品に記載されている99.9%等の表示は一定の試験方法でマスク本体を通過する粒子を測定するものなので着用した時の隙間から漏気があることは考慮されていない数字です。
漏気の割合を理論的に求める事は現実的に不可能(条件が多すぎる)だと思われますが、言える事は粒子の透過率をプラス方向に働くという事です。
簡単に言うと上記の100回繰り返しの時の粒子通過確率9.521%は実際(漏気も考慮する)は9.521%以上になるという事です。
ここまでは市販の99.9%高性能マスクを例に計算を行ってきました。
ここからはICM VIROBLOCK(メーカー実験値 新コロナウィルス/エアロゾル99.997% 除去)での場合の同じ計算値を出してみます。
99.997%除去率=0.003%透過率
100回繰り返した場合(5分滞在)1個以上の粒子が透過する確率:0.300%
200回繰り返した場合(10分滞在)1個以上の粒子が透過する確率:0.598%
600回繰り返した場合(30分滞在)1個以上の粒子が透過する確率:1.784%
1200回繰り返した場合(60分滞在)1個以上の粒子が透過する確率:3.536%
[HeiQ VIROBLOBK の試験データ等]
スイスのHeiQ社がホームページでVIROBLOCKの様々なウィルスを使った性能試験データ等を掲載しています。
HeiQ社は世界でもいち早く実際の新コロナウィルスを使ってVIROBLOCKの抗ウィルス効果を実証しました。
https://heiq.com/products/functional-textile-technologies/heiq-viroblock/
(英語のページ)
[ICM VIROBLOCKマスクの隙間・漏気問題]
こちらも隙間・漏気を定量的に考える事は無理そうですが、市販製品(他社)と比べて柔らかい生地で大き目の面積を確保しているので肌に触れる面積が大きくなり一部を除いて隙間が出来にくい作りになっています。
一番のマスクの漏気問題は鼻の脇の隙間です。
ICM VIROBLOCKマスクはこの部分にノーズホールド(特許出願中)という生地のひだをつけていて、正しく装着するとほとんど隙間を無くすことが可能です。
一方市販他社製品はノーズワイヤーなど形状記憶合金やプラスチックで鼻の形状に合わせた調整ができる様になっていますが、ある程度までの隙間削減効果は有りますがこの方法では鼻の脇の隙間はどうしても空いてしまいます。
このことより、ICM VIROBOLOCKマスクと市販他社製品を比較した場合、粒子が透過する確率に漏気による掛け率を考慮する場合でもICM VIROLBOKマスクの方が掛け率が小さくなる(安全側に働く)と考えます。
◇ 結論 ◇
一定時間、感染源のある環境で使用する場合、市販高性能マスクに比べICM VIROBLOCKマスクはより高い安全性・フィルター効果を期待できる。
例:30分密の状態でいる場合、エアロゾルウィルス粒子を吸い込む確率
ICM VIROBLOCKマスク 1.784%
市販99.9%高性能マスク 45.135%